皆さん、ついに来ましたね。
RADIOHEAD、単独来日公演決定です!
2016年のSUMMER SONIC以来となる来日公演。そして単独公演としては、実に2008年以来、19年ぶりだそうです。
2027年6月、GMOアリーナさいたまで行われる5日間の公演。まさか、再び日本でRADIOHEADのライブを観られる日が来るとは……。
今回は彼らの来日を記念して、RADIOHEAD特集でいきます。
いや、行かせてください。
先にお断りしておきますが、今回は客観的な作品解説でもなければ、音楽評論でもありません。長年RADIOHEADを聴いてきた一人のファンによる、ほぼ思い出話です。
いつも以上に主観が入り乱れる記事となりますが、どうか温かい目でお付き合いいただければ幸いです。
ワタシ的RADIOHEADの歴史①――1995年、RADIOHEADとの出会い
あれは1995年……。
いや、どこまで遡るんですか? 嫌がらせですか?
当時のワタシは、週末になると大阪・難波周辺やアメリカ村へ出かけ、買い物をしたあとHMVに寄り、試聴コーナーでお気に入りの音楽を探す――そんな生活を送っていました。

当時の音楽事情については、以前執筆したSUMMER SONIC大阪・THE STROKESのライブレポでも少し触れています。→リンク
その日も、いつものように試聴コーナーを物色していると、あるアルバムのジャケットが目に留まりました。
それが、RADIOHEADの2ndアルバム『The Bends』でした。
何気なくヘッドホンを手に取って聴いてみると、その音楽に一瞬で心を奪われました。
あのアルバムを何回聴いたのか、もはや分かりません。30年以上たった今でも、『The Bends』はワタシの中で色褪せることのない金字塔です。
なかでも「Fake Plastic Trees」は、今でもワタシにとって特別な一曲です。
これまで数え切れないほどの音楽を聴いてきましたが、「人生で一番好きな曲は?」と聞かれたら、現在でもこの曲を挙げると思います。
ワタシ的RADIOHEADの歴史②――世界的名盤『OK Computer』と、すべてをひっくり返した『Kid A』
そして1997年、『OK Computer』が発表されます。
RADIOHEADを世界のトップアーティストへと押し上げたアルバムと言って、差し支えないでしょう。
「Airbag」のイントロを初めて聴いたときの衝撃。
「Paranoid Android」の目まぐるしい曲展開と、後半に訪れる爆発。
「Karma Police」の切なくも美しい旋律。
何度聴いても飽きることがなく、約30年が経過した今聴いても、古さどころか斬新さすら感じます。
そして激動の20世紀が終了し、人類は21世紀を迎えました。コンピュータの2000年問題とかノストラダムスとか懐かしいですね。

そんな急速に時代が変わりゆく2000年に発表されたのが、4thアルバム『Kid A』です。
世界的な成功を収めた『OK Computer』の次に発表されたのは、これまでのキャリアを自らぶっ壊すかのようなアルバムでした。
それまで前面に出ていたギターサウンドは後退し、電子音や打ち込み、アンビエント、ジャズなど、さまざまな要素が入り乱れる作品へと変貌。
初めて聴いたときは、正直に言って理解不能でした。
「これが本当に、あのRADIOHEADなのか?」
ワタシの周囲には、このアルバムをきっかけにRADIOHEADから離脱してしまった人もいたほどです。
ワタシ自身も、当時はどう受け止めればよいのか分かりませんでした。
ところが、何度も聴いているうちに、少しずつ耳から離れなくなっていきます。最初は理解できなかったはずなのに、気がつけば病みつきになっている――実に不思議なアルバムです。
そして、RADIOHEADあるあるだと思うのですが、ライブで体験したあと、それまでスルーしていた曲が突然大好きになることがあります。
『Kid A』の楽曲は、まさにそのパターンでハマることが多いのです。
「Idioteque」「Everything in Its Right Place」「How to Disappear Completely」などは、ライブで聴いたあとに何度ヘビーローテーションしたか分かりません。
続いて発表された5thアルバム『Amnesiac』は、『Kid A』と同じレコーディングセッションから生まれた、いわば姉妹作です。
ところが、ワタシには『Kid A』とまったく同じ方向を向いた作品には聞こえませんでした。
電子的で実験的な曲を収録しながらも、「I Might Be Wrong」や「Knives Out」のようにギターやバンドの生々しさを感じる曲があり、「Pyramid Song」や「Life in a Glasshouse」ではジャズの影響も強く感じられます。
個人的には、『OK Computer』から『Kid A』へと大きく飛躍したRADIOHEADが、その間に存在するさまざまな可能性を、もう一度別の角度から見せてくれた作品という印象を持っています。
それにしても、「Knives Out」は名曲ですよね。
ワタシ的RADIOHEADの歴史③――フェスにもっと早く行っていれば…
さて、これだけ長々とRADIOHEAD愛を語っているワタシですが、実はまだ彼らのライブを一度も体験したことがありません。
当時のワタシには、そもそも「ライブを観に行く」という習慣がありませんでした。
加えて、今のようにスマートフォンやSNSを開けば、興味のありそうな情報が次々と流れてくる時代でもありません。
今ではワタシのライフワークとなっているフジロックやSUMMER SONICについても、FMラジオや音楽雑誌、CDショップに置かれたフライヤーなどを通して、何となく存在を知っている程度でした。

友人からの口コミや誘いも、今以上に貴重な情報源です。
つまり、ワタシのように友達が少ない人間にとっては、なかなか致命的な時代だったわけです。
そんななか、RADIOHEADは2003年、当時の最新アルバム『Hail to the Thief』をひっさげ、SUMMER SONICにヘッドライナーとして出演します。
そして東京公演では、アンコールの最後に、まさかの「Creep」を演奏。
今なお語り継がれる伝説的なステージとなりました。
しかし、当時のワタシはその場にいません。
RADIOHEADをあれほど聴いていたにもかかわらず、この歴史的な瞬間をリアルタイムで体験することはできませんでした。
そもそもワタシがライブや音楽フェスへ足を運ぶようになったのは、2007年にSUMMER SONICへ初参加してからです。

初めて体験する、大音量の生演奏。
一日中、次から次へと好きなアーティストが登場する非日常的な空間。
その楽しさを知ってから、ワタシは次第にライブやフェスへ足を運ぶようになりました。
そして、いつしか一つの思いが強くなっていきます。
いつか、RADIOHEADのライブを生で観てみたい。
それにしても、あと4年早くSUMMER SONICへ行っていれば……。
今でも2003年の「Creep」の映像を観るたびに、そんなことを考えてしまいます。
ワタシ的RADIOHEADの歴史④――『In Rainbows』の衝撃と、逃した単独ツアー
さて、時代は2007年。
もう20年近く前の話ですが、おじさんにとっては、つい最近です。
ワタシ個人としては、紆余曲折を経てようやく就職できた記念すべき年。そして何より、初めてSUMMER SONICに参加した年でもあります。
ここからワタシは、毎年のように音楽フェスやライブへ足を運ぶ人生を歩むことになります。
そんな2007年に発表されたのが、7thアルバム『In Rainbows』です。
このアルバムが大きな注目を集めた理由の一つが、公式サイトから配信されたダウンロード版の価格を、購入者自身が自由に決められるという販売方式でした。
いわゆる「Pay What You Want」方式です。
極端な話、無料でダウンロードすることも可能。現在ならアーティストが作品を直接配信することも珍しくありませんが、当時、世界的なバンドがこの方法で新作を発表した衝撃は相当なものでした。
しかし、話題になったのは販売方法だけではありません。
肝心の内容もすばらしく、RADIOHEADの最高傑作の一つと言って差し支えないアルバムだと思います。
ワタシの中では、『The Bends』に次ぐ金字塔です。
シングルとして発売された「Jigsaw Falling into Place」と「Nude」も最高ですが、「Reckoner」「Weird Fishes / Arpeggi」「Bodysnatchers」なども外せません。
特にこれらの曲は、ライブ映像で観るとスタジオ版とはまた違った迫力があり、その真価を発揮する“神曲”だと思います。
そして『In Rainbows』発表の翌年、2008年には待望の単独日本ツアーが開催されました。
大阪、さいたま、東京で行われた全6公演です。
しかし、残念ながらこのツアーにも参加できず……。
2003年のSUMMER SONICに続き、またしてもご縁がありませんでした。
「まあ、次の機会に観ればいいか」
当時は、きっとその程度に考えていたのだと思います。
まさか次の単独来日公演まで、19年も待つことになるとは知らずに……。
ワタシ的RADIOHEADの歴史⑤――FUJI ROCK FESTIVAL ’12と、人生最大の後悔
2011年、RADIOHEADは8thアルバム『The King of Limbs』をリリースします。
正直に言うと、初めて聴いた当時の印象は「うーん、少し微妙かも……」というものでした。
しかし、RADIOHEADの楽曲には、ライブで化ける曲があります。
後になって、その代表格ともいえる曲を『The King of Limbs』の中から見つけました。
それが「Bloom」です。
スタジオ版では複雑に折り重なっているリズムが、ライブではより立体的になり、とてつもないエネルギーを放ちます。アルバムを聴いたときにピンと来なかった方にこそ、ぜひライブ版も聴いていただきたい一曲です。
そして「Lotus Flower」も、ライブでその魅力が増す曲だと思います。
「Bloom」は“花が咲くこと”、そして「Lotus Flower」は“蓮の花”。
どちらも花にまつわる言葉なのは、果たして偶然なのでしょうか……。
『The King of Limbs』というタイトル自体も大木を連想させますし、アルバム全体に流れる不思議な自然のイメージと、どこかでつながっているような気もします。
そして翌2012年、RADIOHEADが満を持してFUJI ROCK FESTIVALへ初出演することが発表されます。
もちろん、ワタシも早割に申し込みました。
ただし、この時点では、まだ一度もフジロックへ行ったことがありません。
そして早割は、見事に落選。
「いつかは行ってみたい」と思いながら、なかなか一歩を踏み出せずにいたフジロック。
しかし今回は、大好きなRADIOHEADが出演します。
いつ行くの? 今でしょ?
関西から苗場までどうやって行くのか。どこに泊まるのか。どんな装備が必要なのか。
当時のワタシは、参加方法や移動手段を一から調べ始めました。
ところが、そうこうしているうちに目の前に現れたのが、無情にも輝く**「SOLD OUT」**の文字です。

この年は、RADIOHEADが出演する日曜日の1日券だけでなく、土曜日の1日券や3日通し券も完売。前夜祭を含めて延べ14万人を動員し、当時のフジロック史上最多の来場者数を記録しました。
そうです。
ワタシは、またしてもRADIOHEADを見逃したのです。
しかも今度は、後にワタシ自身が「日本で最高の音楽環境」と絶賛することになるFUJI ROCK FESTIVAL。

その苗場の空の下で、大好きなRADIOHEADを観るという機会を逃しました。
これは、ワタシの音楽人生における最大の後悔と言っても過言ではありません。
「もっと早く準備しておけばよかった」
「早割に落ちた時点で、すぐに通常のチケットを買っておけばよかった」
このときの悔しさは、今でも忘れられません。
そして実は、この経験が、現在のブログを始めた理由の一つにもなっています。
このブログの大きなテーマは、**「関西からフジロックへ参加する方法」**です。
これから初めて参加する方には、ワタシのように「調べている間に間に合わなくなった」という後悔をしてほしくありません。
今振り返ると、2012年に逃したRADIOHEADのステージが、十数年後にこのブログを始めるきっかけの一つになったのかもしれません。
そして、この後悔から4年後。
2016年、ワタシはついにRADIOHEADのライブを体験することになります。

しかも、SUMMER SONIC大阪と東京の2公演に参加するという、長年の鬱憤をまとめて晴らすかのような強行日程で……。
さて、すっかり話が長くなってしまいました。
このまま2016年のライブまで書き始めると、とんでもない文字数になりそうです。
ということで、まさかの後編へ続きます。
後編は、**「SUMMER SONIC 2016で、ついにRADIOHEADを観た話」**です。
初日の大阪公演、翌日の東京公演、そして2003年にも大きな話題となった、あの曲についても振り返りたいと思います。
まとめ――RADIOHEADへの道はまだ続く
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
ワタシのRADIOHEAD愛は、伝わりましたでしょうか。
1995年に『The Bends』と出会ってから、何度もライブを観る機会を逃し続けてきたワタシ。
そんな長いすれ違いの歴史を経て、2027年、ついに19年ぶりとなる単独来日公演が決定しました。
皆さんは、もうチケットをゲットされましたか?
ワタシはというと、この記事を書いている時点では抽選に外れ続け、絶賛苦戦中です。
まさか19年ぶりに訪れたチャンスでも、チケットを手に入れるところから苦しめられるとは……。
今度こそ無事にチケットを確保し、19年ぶりの単独公演をこの目で見届けることができるのでしょうか。
その結果についても、またこのブログでご報告したいと思います。
そして次回は、ようやくRADIOHEADのライブを初体験したSUMMER SONIC 2016大阪・東京2公演を振り返ります。
後編も、ぜひお付き合いください。

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